コウヤマノート

より良い人事を

2017年6月26日

「人事異動は市役所最大の関心事であり、一大イベント」そんな職員からの声を熊本市長時代に何度か聞いたことがある。

私は5年半ほど民間企業で勤務した経験があり、当時も人事は関心事の一つであったことは確かだが、お祭り騒ぎのような表現には違和感を覚えたし、それだけ関心の度合いは民間企業よりも強いなと感じたものだった。

関心が高いということは、「自分の希望を叶えたい」との願いも強くなり、自薦他薦を含めて色んな力が働きがちになる。

そんな人事を私は、外部からの圧力を排除しつつ、客観性を高めながら、適材適所の配置で全体最適を目指した。外部からの圧力だけでなく恣意性も排除しようと課長職や係長級の試験制度を導入した。人の見方は好き嫌いも含めて偏りが生じる場合も少なくないことから、試験以外の人事評価や配置に関しては複数名で議論するようにもした。

政府は今、従来の官僚主導から政治主導・官邸主導へと変わり、その変化の主な要因はまさに人事権を掌握したことにあると言われている。

国家公務員制度改革基本法が制定されてから6年後の2014年に、ようやく今の内閣人事局が設置され、全省庁の課長クラス以上の人事はそこで決定されるようになった。

国家戦略特区のような縦割り行政の弊害を打破し、政治主導を実現するための手法としては間違っていなかったようだ。しかしながら、ここにきて副作用というか、逆の弊害も生じてきているように感じられる。

手法としては間違っていなくても使い方を間違えると、組織が一気に弱体化し、公務員の基本である全体の奉仕者としての使命感が揺らぎかねない。

恣意的な評価は論外としても、人が人を評価することの難しさは誰もが感じているようで、「将来は人工知能で!」とも言われている。

役所の人事に関しては、国民の利益にも関わることなので、それに頼らずとも政治が適正に関わることで、より良い人事を目指したいものだと思う。
幸山政史の一問一答幸山政史の会

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