コウヤマノート

“ゆりかご”開設から10年

2017年5月10日

10年前の今日正午、全国から注目が集まる中、熊本市西区の慈恵病院で『こうのとりのゆりかご』が運用を始めた。そして、その直後に飛び込んできた「使われた」とのニュースは、多くの人たちを驚かせ私たちも対応に追われた。

スタートする時点で、私と蓮田理事長からは「これから運用が始まるものの、出来るだけ使われない方が望ましい」と、偶然にも同じ主旨のことを発言している。

あれから10年が経過して、公表されているだけでも125人もの幼い命が“ゆりかご”に託されている。

この間は、確たる法的な根拠のない、いわば不安定な状態で、慈恵病院の努力はもとより児童相談所や県警、関係機関・者との連携・協力により、“ゆりかご”と“ゆりかごに預けられた幼い命”は守られてきた。

一方で“ゆりかご”という象徴的な存在があることで、妊娠や出産に関する深刻な相談が、全国から慈恵病院に寄せられている。

“救われる命”か“安易な遺棄の助長”か、“ゆりかご”そのものの是非を含めて、二者択一で論じることは今も難しいと思う。

“出自を知る権利”と“匿名性”との関係は、10年が経過した今も問題として抱え続けている。そして“ゆりかご”を取り巻いている、児童虐待やDV、望まない妊娠、子どもの貧困等といった社会的な問題は、深刻さを増しているといっても過言ではない。

開設から10年の節目を迎え、“ゆりかご”が使われない社会を目指す、もう一度その原点に戻る必要があると思う。立場は変わっても、今後も“ゆりかご”を見守り、関わり続けてゆく。

今週の12日(金)に慈恵病院内で講演の機会をいただいた。率直に今の気持ちを伝えたいと思う。
幸山政史の一問一答幸山政史の会

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